彼女は何を…?
まずは、こちらの画像をご覧下さい。
古くて粗い画像で恐縮です(笑)。
かなり昔のモノなのですが、あたしも詳しく知りません。カナル・スル(南スペインのテレビ局)で大昔に放映されたものの海賊版を、VHSで持っていました。今はPC内にデータとして持っています。
Angeles Muriel(アンヘレス・ムリエル)さんと言うらしいんですが、今のyoutubeを探しても出てきません。おそらく、40~50年前のものかと思われます。
さて、ここで質問というより…クイズです!
彼女は一体、何の曲を踊っているでしょうか?
画像の特徴
画像の特徴を挙げると、次のようなものです。
・青地に白の水玉の衣装
・カワイイ笑顔
・おでこにぐるぐる(カワイくて好きです!)
おそらく多くの方は、アレグリアスやカンティーニャス系の曲(カラコレス、ロメーラなど)だと思ったのではないでしょうか?
アバニコは無いけどグァヒーラ?
帽子は無いけどガロティンやタンギージョ・デ・カディス?
このように考えた人もいるかもしれません。
それでは、どうぞご覧下さい!
タンゴ・デ・マラガでしたね。
正解した人はあまりいなかったのではないでしょうか?
悲しくない曲!?
タンゴ・デ・マラガの曲調は、確かに物悲しく感じられます。ギターの音に関して言えば、悲壮感のあるファルーカと全く同じです。
しかし、ファルーカとは全く違って…むしろ明るい曲と感じた人が多かったのではないでしょうか?
誤解されることが多い!?
日本人にとって、タンゴ・デ・マラガの歌とギターは、暗く悲しい曲として感じられるかもしれません。
以前、あるスペイン人の歌い手が、日本人の踊り手に対して、感覚に関する注意をしている場面に立ち会ったことがありました。
「Tango de Malaga, No triste!!」
(タンゴ・デ・マラガは悲しい曲じゃないよ!)
どんな人でも、感じているものを急に変えることはできませんので、新しくイメージを持ち直すのは容易ではないでしょう。
ミララ~のセビジャーナス
多くの人が知っているセビジャーナス「ミララ~」を思い出してみましょう。
Mírala cara a cara que es la primera
(顔を見合わせて、ハイ!一番!)
この歌詞のどこにも悲しさはありませんが、このセビジャーナスの曲調は、私たち日本人には、暗さや悲しさを感じさせるかもしれません。
先入観は邪魔になる…かも?
”アレグリアスは喜びを意味する曲”などのように、日本語で説明できるイメージを固めてしまうと、目の前にあるものをそのまま受け止める感性が鈍くなってしまうことがあります。
タンゴ・デ・マラガやセビジャーナスだけでなく、できる限り先入観を持たず、多くのモノに接して感じていくようにしましょう。
おまけ
上でご紹介したタンゴ・デ・マラガは、実は…いわねが初めて見た”スペイン人のタンゴ・デ・マラガ”でした。このような印象を受けるタンゴ・デ・マラガに出会うことは少ないかもしれませんが、少数例として片付けたくない気持ちが強かったので、今回ご紹介しました。何か参考になっていただけたら幸いです。
数十年前のフラメンコですから、リズムはシンプルで物足りなく感じる人が多いかもしれません。また、この時代には、”重さのあるリズム”はまだありませんでした。
しかし、踊りはとても魅力的、歌はシンプルながら味があり、タンゴは畳みかけるように歌われています。そして、1分12秒くらいから始まるファルセータが、20年前から大好きでした。
この記事を書いた2020年4月現在、世界中で新型コロナウィルスの騒動が続いています。数ヶ月先まで、多くの仕事が無くなりました。
自宅に引き籠る時間が長かったので、このファルセータをコピーして弾いてみました。コロナ騒動が収束した後、ライブでタンゴ・デ・マラガを伴奏することがあれば、是非とも弾いてみたいと思います。
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